変なおじさんについての日記4
おじさん「え〜どこがダメだった?」
カフェに入って席に着くなりすぐ本題に入った。
わたし「う〜ん・・言いたいことはたくさんあるんですけど、オブラートに包むのが苦手で・・おじさんとはこれからも仲良くしていたいし。。」
わたしはおじさんに下記のことを伝えたかった。
①約束してから会うまでたまには連絡をすること。
②初めてのデートでは下心を見せないこと。
おじさん「大丈夫だよ、泣かないから」
わたし「いやでも、、これからも仲良くしてくれますか?」
おじさん「もちろんだよ。」
わたし「じゃあ言いますね。」
と言ってわたしはオブラートの包み方を考えたが全く思いつかず、口調を穏やかにしたのみで①②をそのまま伝えた。
わたし「女の子はおはよーとかメール来たら嬉しいんですよ。でも血液型とか出身地とかプロフィールは交換しちゃダメです。会った時話すことなくなっちゃうから。。ランチなう、とか帰宅〜とかそんなことメールします。」
おじさん「えっおはよーなんて気持ち悪いと思ってた。それって好きな人から来るから嬉しいんじゃないいの?女の子から来たら嬉しいけど」
わたし「適当な人から来ても嬉しいですよ。」
おじさん「へぇ〜。でも家誘ったのは家来て普通にアメトークみて終わったらすごい信頼されると思って」
そういう考えだったのか。やっぱり男性の考えてることは分からない。
わたし「3回目くらいのデートだったらいいかもしれないけど、、1回目で来たらその子はビッチだと思ったほうがいいです。」
おじさん「え〜回数って重要なんだ><」
話していてわたしは何なんだろうと、
なぜ推定40歳のおじさんに恋愛のアドバイスをしているのだろうか。
逆じゃないだろうか。
わたしに好意を抱いてほしいわけでもないし
まだ会って2回目、時間にしたら3時間程度しか時を共にしていない
このおじさんになぜこんな親切なことをしているのだろう。
これは母性以外の何物でもあるまい。
とても素直なおじさんが可愛く見えてくる。
おじさん「・・・実は10年好きな子がいて」
!!!!!!!!
おじさんは誰に何を告白しているのだ。
あくまでわたしは今日ご飯に誘われ一応さきほどまでは性的な目で見られていた。
急に上から恋愛のアドバイスをしてしまったせいで
この10分くらいで母的な存在と化してしまっていた。
それより10年も好きって一体どういうことなのか。
10年も片思いをしているからおじさんは結婚をしないのか。
わたし「えっどういうことですか?だから結婚しないんですか?」
おじさん「その子の影響は大きいだろうね。その子より好きな子見つけたいなって思ってこうやってご飯行ったりするんだけど。。それは失礼じゃないよね?」
わたし「失礼じゃないです。」
失礼だったがおじさんの話の続きを早く聞きたくて早送りのボタンを押すイメージで反射的に言った。
おじさん「最近さ、facebookで結婚報告とかよくあるじゃん、、facebook開くたびに結婚報告あったらどうしようって怯えてる」
おじさんはあの青い背景にFと書いたアイコンを押すときいつも震えていたんだ。
この10年間、アクティブユーザーであるおじさんのことを考えると一日推定10回は押してしまうあのアイコンを押すたび震えていたんだ。
おじさん「その子に会うためにホームパーティも開いてるんだよね。二人で会えないわけじゃないんだけど、たまにご飯も承諾してくれて。年1,2回くらいご飯行ける。」
年に1,2回、、せつなすぎる。それはどんな魅力的な子だろう。
わたし「もしかして芸能人ですか?」
おじさんは職業柄芸能人と会う機会も多いと聞いている。
某大物女優のマネージャーとは気が合わない、だとか
マツコ・デラックスは本当に大きいとかそんなことを話してくれていた。
おじさん「いや、まぁ一応出会った当時はモデルみたいなこともしてたんだけど、見た目もそれほど可愛いってわけじゃない。可愛い子なんていっぱいいるじゃん。性格も良くないと思う。」
わたし「性格も良くないんですか?」
おじさん「女の子ってみんなミスチル好きじゃん、だからいろんな伝手使ってチケットどうにかして手に入れたのね。で当日16時位にメール来て、昨日飲み過ぎて行けないって。
後輩に電話してお前彼女いたよな?ってあげちゃった。切なくて。
そのチケットもただじゃなかったんだけどね。」
女の子が全員ミスチルが好きかは分からないが、まぁ嫌いな人はいないか。
割りとひどい女の人だ。
わたし「でもひどい扱いされるとなぜか余計好きになっちゃいますよね。」
おじさん「条件反射なんだろうね。好きな理由とかはない。」
わたし「振られ続けているんですか?」
おじさん「告白したことない」
わたし「!?!?!?!?!?」
わたし「言わなきゃわからないですよ!」
おじさん「その子に女友達派遣したりしてて。俺のこと褒めるように。だからグループで仲良くしたりもしてるんだけど、他の人が言うには俺の態度みたら一発で分かっちゃうって。だから本人も知ってると思う」
わたし「でも告白されなきゃ向こうから付き合ってって言う訳にも行かないし、ちゃんと言ってあげなきゃ」
おじさん「でも言うことによってこの恋が終わっちゃうかもしれないんだよ。次鍋もしようって言ってるけどそれもなくなっちゃう」
わたしは東京に来て初めて真っ白いものを見た。
六本木、西麻布、合コン、パーティ、タワーマンション、外銀、外コン、
モデル、CA、ジビエ、水炊き、隠れ家、整形、不倫、浮気、お金持ち、美人
キラキラしたもののあふれる東京にこんなひっそりと
大切なものが保管されていたなんて。
それはそれは大切な触れてはいけない重宝すべき宝物だと思った。
いわゆる業界人であるおじさんがこんなに汚れなき純粋な恋をしていることに驚いた。
なんとかしてこのおじさんとその子はお付き合いできないんだろうか。
わたしの今年の目標:「このおじさんを幸せにすること。」
変なおじさんについての日記でしたが
一番変なのはわたしでした。
明日またおじさんとランチします。