フェルミ実践編
とある日の合コン。
合コンは貴重なフェルミチャンスであります。
まずフェルミチャンスを有効活用するために重要なことは
1,フェルミ推定してくれそうな人の隣りに座ること、であります。
今日は4-4の合コンで女の子一人遅れてくるということなので
女子3人でお店に着くとすでに男性が一人座っていた。
イケメン。美白。さわやか。 うん、タイプだ!というか世の中の女子みんなタイプだ。
しかしそんなことに惑わされてはいけない。
重要な事は"フェルミ推定してくれるかどうか"である。
しかし個室は狭く、他の女子に通路を譲る余裕はなかったので
一番最初に入室したわたしがその美白イケメンの隣に着席することとなった。
あくまでも偶然である。
次にトイレから帰ってきて入室した男性は黒縁メガネをかけ
いかにもフェルミ推定をしそうな胡散臭い雰囲気を出していた。
彼は自然な流れでわたしの隣りに座った。
左にイケメン、右にフェルミ、完璧な合コンの席取りである。
今日は最高の金曜日になりそうだ!
2,会話を自然な流れでフェルミへと導く
本日の合コンは先程の自己紹介で1名監査法人、2名コンサルであると分かった。1名はまだ仕事で遅れているそうだ。
そして2名のコンサルというのはまさに両隣の2名である。
わたしのフェルミ推定してくれそうな人を推定する力はフェルミ推定すると100万人に一人の才能といえるだろう。(適当)
職業がコンサルということでもうフェルミ推定へ導く会話術はわたしの頭のなかで見えていた。
重要なのはあくまでも自然な流れでフェルミ推定を行ってもらうことである。
フェルミ推定好きなんです、といってしてもらうのは引かれてしまう危険性がある。
わたし「どうしてコンサルに就職したんですか?」
美白イケメン「コンサル志望だったんだよ〜、今の会社に最初に内定もらったからここにした!」
わたし「へぇ〜他にはどんなところ受けてたんですか?」
美白イケメン「マッキンゼー、ボスコン、pwc、ドリームインキュベーター、なんとかかんとか」
わたし「へぇ〜pwcって汐留の会社でしたっけ?」
フェルミ目的と悟られてはいけないのでたまに話を逸らす事が重要だ。
美白イケメン「そうそう、そこはすぐ落ちたけどね」
わたし「コンサルの面接ってどんなことするんですか?」
美白イケメン「フェルミ推定とか」
キターーーーーーーー!!!!!!!!
史上最速のフェルミ推定頂きました。
こちらからは一切フェルミのフェの字も出していない。
もうフェルミ推定の道は硬い。
わたし「フェルミ推定ってなんですか?」
心ではこんな簡単にフェルミにたどり着いていいのかという心持ちだが
ここは早まらず焦らず知らない体を装う。
黒縁メガネコンサル「例えば電柱は日本に何本あるかとかなんでもこいつに聞いたら見積もってくれるよ」
わたし「へぇぇぇ〜〜〜じゃあわたしの好きなタイプとかでもいいんですか?」
黒縁メガネコンサル「いーね!それ!!合コンぽい!!」
フェルミ目的と悟られないためテーマはこれがベストだろう。
わたし「じゃあまず男性!」
黒縁メガネコンサル「えっ日本だけでいい?」
ええええぇそこ重要なの♡本格的で嬉しい♡わたしは外人も好きです♡
わたし「外人も好き!」
黒縁メガネコンサル「外人含むって!」
美白イケメン「まじか〜〜〜〜〜難しい」
うなだれている。いいねいいね!どんな仮説が飛び出すのか!
わたし「175cm以上(本当は183cm欲しいがここにいる男性は全員180なんぞないから気を遣う。)美白、頭がいい人」
黒縁メガネコンサル「おぉ〜〜美白!アフリカ人とかはだめだね笑」
なるほど、白人の%でも割り出すのか?!
美白イケメン「ん〜〜〜〜難しい!!でもね、分かった!すぐに出た。それは世界で一人しかいない!俺だ!!!」
・・・・・いやいやいやいや。
君は空気を読み間違えている。
ここは正確にフェルミをする場面である。
わたし「キャーーーーーーーー///今きゅんとした」
美白イケメン「だろ?」
フェルミへの道は遠い。